フランスでの暴動について思うこと | 現役立教大生が酒に溺れるブログ・・・でした

フランスでの暴動について思うこと

10月末に発生したフランスの暴動について、ニュースにて断片的な内容は知っていたのですが、未だ暴動が治まらずといった状況のようなので詳しく調べて見ました




発端:低所得者向けの公営アパートの一角にて地元の移民系少年が警察に追われ変電所に逃げ込み感電死したことに激怒した若者達が暴徒化したこと


その暴徒達に対してサルコジ内相が「社会のクズ」呼ばわりしたことで彼らの怒りに油を注いだ形になり、暴動は国内全土に波及する


フランスは労働力が不足していた大戦後に「工場の部品」として移民を受け入れた


当初フランス政府は戦後の好況期が終わり仕事がなくなれば移民達は自国に帰ると予想していたようだが、その予想は見事にはずれ彼らは帰らなかった


多くはZUSと呼ばれる「配慮が必要とされる地区」に住み、この地区は失業率や公衆衛生、その他サービス水準も全国平均をはるかに下回る


フランスには、言語や歴史、文化を受け入れたものは全てフランス人とみなすという原則がある


移民の2世、3世達は思想的にも現実の戸籍の上でもフランス人であるにも関わらず冷遇されているので不満を覚えるのは当然のことだ


80~90年代にも今回と同じような移民による暴動が起こっていたようだ その際に政府による地域活性化プロジェクトが開始されたが時代の流れとともに忘れ去られてしまった そして、今回の事件に至る




といったのが大枠のようですね


幸い今のところ暴動によって多数の死者がでたということは無いようですが、危惧するのは今回の暴動が宗教的問題を孕んだものに発展するのではないのかということです




「社会のクズ」発言をしたサルコジ内相は次期大統領選で大本命と言われている人


この発言をしたのには明らかに大統領選をにらんでの意図があり、事実彼のイメージ調査では非常に良いイメージと答えた人がこの発言後57%にも達したとのこと


彼の目論みは当たったわけですが、移民系の住民達がこのことををおもしろく思っていないのは明白です


暴動に参加している若者達は宗教的な目的によって動いているわけではないですが、これが政府に対する憎悪となって宗教的な問題に転化されるということが十分に考えられるのではないかと思うのですね


というのも、政府は暴動を抑えるために地元のモスクから指導者を派遣して沈静化を図っているからです


フランス国籍を持っているにも関わらずフランス人としてのアイデンティティを持つことができない人々が、自分達を排除しようとする勢力に対抗するために自身の原点回帰によって自らのアイデンティティを確立するというのはありえない話ではないでしょう




この暴動をどのようにシラク大統領は解決するのか 


無能で知られるジャック・シラクだけど、今回の暴動をうまく丸め込むことができたら栄誉ある退陣をすることができそうですね